0002|美術予備校で自惚れだったと気づかされた時
小さい時から絵を描くことが好きでした。
小学生の時には漫画イラストの模写を自由帳に描いて褒められたり、
中学の時には写生のコンクールで受賞したり。
で、そういった少年時代を経ていくと、なんとなく絵というものが、
自分の中でのアイデンティティであったり、自信の源になったりして、
こんなに絵が上手いのだから、将来はアーティストか、
デザイナーになるのだろうな!なんて夢見ていました。
そうなると、美大に行かないといけないぁなんて思うのですが、
美大に入るには美術予備校へ入塾し、絵の予備校で受験対策として、
必死にデッサンや水彩などの実技練習がほぼ必須になるのです。
美大を目指す方々は、皆、幼少期に絵が褒められて育った子たちばかりなので、
ベースが上手かったり、既に絵の塾に通ったりした子達が多くおります。
なので、急にその美術予備校に入学し、デッサンをしましょうとデッサンをしてみると、
周りのレベルに全くついていけず、自分の下手さ加減に嗚咽が洩れるほど悔しい思いをします。
小さい頃から絵だけが自分を支えてくれて、周りより出来ることだと、
自認していたものがそこで一気に崩れ落ちるのです。
更に追い打ちをかけるのが、「講評会」というもので、
数時間かけて描いたデッサンなり、水彩画なりを、全員イーゼルに立てかけた後、
講師たちが上手い順に並べて、改善点をコメントしていくのです。
当然、入塾した直後の私は、ほぼ全ての課題で毎回、最下位です。
その時には、まだ気づく力や、結果に対する改善点を見出す思考力のついていない、
10代の頃でしたから、毎回、毎回上手くいかない事に、苛立ちや悲しみや虚しさが募る毎日を送っていました、、、。
,,,,,次回へ続く